あたたかい気持ちに包まれる物語

「小野寺の弟・小野寺の姉」片桐はいりさんの空気感が元々好きで、気になっていた映画です。

冒頭から日常を切り取ったような温かでコミカルな世界観で始まった物語は、良い歳した姉弟の日常、家族の中のくだらないルールや一緒に暮らしているからこそ分かり合える家族アルアルが散りばめられ、くすっと笑ってしまいます。

小野寺家の食卓や台所、冷蔵庫、小野寺姉の部屋のインテリアに至る細部まで世界観が作り上げられており30代以上の方は懐かしさを感じられるのではと思います。実家とは全く違う家ですが私は懐かしさで胸いっぱいになりました。

また物語としては大きな事件は起こらないけれど、適齢期の過ぎた姉の女としても心の揺れ、姉として弟を思う気持ちはずっしりと心に響きました。

親代わりに思ってきた姉と、姉の女としての一面(自分のために、我慢していた部分)に気づき行動を起こした弟。

ネタバレとなりますが、

傷心の中、弟に姉気づかれまいと気丈に振舞う姉。

その姉の誕生日プレゼントとしてへそくりの札束(全て1000円札)を渡します。

そこは家族っぽくそっけなく、茶封筒に入れて。このときのお互いの空気が、恋人でも友人ではなく姉弟・家族の微妙な距離感で心をわしづかみにされ涙が出てきました。家族に、妹に会いたいなと。

夫は何がおもしろいのか分からないようでしたし、特別に何が起きて目に見えて何かが変わる物語ではありません。

だけれども、姉と弟の関係はより深くなり、それを自分に重ねて見れ自分の家族・姉妹を想える映画です。

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